急性腰痛(ギックリ腰等)

急性の腰痛をやっつけるのは簡単です。爆笑筋を意識して使うだけでよいのです。そうすれば無意識に起こる背筋の暴走を意識的に止めることができ、腰痛がうそのように軽減します。

それでは、ぼくが診察室で実際にしていることをお話します。まず図1、図2や腰椎の模型を見てもらいながら、「腰痛の起こるしくみ(背筋と錯覚が犯人であること)」と「爆笑筋が救いの神であること」を患者さんに解説し理解してもらいます。今みなさんが、この本を読んで理解してもらっていることと同じことを納得してもらうわけです。急性腰痛を起こしている時にもっともやっかいなのは、主犯の背筋に助けてもらおうとする錯覚です。ちゃんと『ギックリ腰の正体』を理解できて恐怖感が消えれば、もうすでに半分治ったようなものです。あとは怖がらずに図5のようにイスから立ち上がってみてください。一度立ち上がることができればギックリ腰はうそのように軽くなっているはずです。

診察室では、ぼく自身の爆笑筋に触れてもらいながら、実際にぼくが爆笑筋に思いっきり力を入れておへその下をへこませて、具体的な動きを理解してもらいます。読者の方は自分が思っているより、あと2cmおへその下をへこませてみてください。そうすると爆笑筋が、それこそカチンコチンに硬くなりますので、そこまで力を入れられるように練習してください。これができたら、そのまま背中を丸めながら(もしどうしてもわからない場合は、とにかく少しでもおへその下をへこませて背中を丸めながら)、頭を膝の真上あたりに持っていきます。そしてそのまま、腰をそらせないように気を付けながらイスから立ち上がります。ここでちょっとしたコツがあります。床(両足の親指の付け根の間)を見ながら立つことです。床に焦点を合わせたまま、視線を絶対に床からはなさないように注意して立ちあがるのです。たったこれだけで、それまで痛みで立つことも歩くことも困難だった患者さんがスッと立ち上がれます。冷静に焦らずに行えば、あなたも必ずできます。

この「床を見つめる」というちょっとしたコツで、腰痛があるときでも爆笑筋に力が入りやすくなり、背筋には力が入りにくくなります。爆笑筋に上手く意識的に力を入れることのできない人でも、腰痛の仕組みをよく理解した上で、おへその下をへこませて床を見つめながら立ち上がることによって、劇的に腰痛が改善します。